生物付着防止、防藻、抗菌を目的とした
銅板ライニング


【施工を必要とする状況(例)】

●水処理施設の越流板にが着くと、均一なオーバーフローを妨げるだけでなく、剥がれて  処理槽に行くと、処理能力に負担をかけます。

●海水に接する構造物に、藻やカキ殻、フジツボ等が着生すると、水路を塞いだり、流体抵  抗が増します。

銅板ライニングは、そういった生物の着生を阻止する、最も耐久性が良い方法の一つです。


【着生阻止のメカニズム】

銅は、亜ヒ酸銅、亜酸化銅、銅粉といった形で船底塗料に混入されている代表的付着防止剤であり、船底以外にも同じ目的で、魚網用タールに混ぜて塗られたりしています。
  これらから溶出する銅イオンが、生物毒の働きをすると考えられています。

(但し、銅は人間の必須ミネラルであり、ワイン等の発酵にも不可欠だそうです。
かって「緑青は猛毒」と言われていましたが、これは昔の銅に含まれていた砒素の毒性を銅の毒性と勘違いしていたのではないかと言われています。現在は、銅も緑青も、人間や動物への毒性は無いとされています。だから、一概に、生物とは言えません。
  (銅の生物付着防止機能には、何やら複雑な生理的メカニズムが存在するようです。)

【実社会での応用例】
台所用品である銅製の流し受けは、銅の“生ゴミ防腐機能”を利用した物です。
また、硫酸銅と生石灰を混合した・・混合で硫酸カルシウムと水酸化銅が生じる・・ボルドー液は、「ありきたりの無機物なのに」ベト黴病の農薬として、非常に古くから使われています。

銅板ライニングは、銅板を対象物に貼り付ける」という単純な方法によって、上記の属性をストレートに利用するものであり、防汚塗装より効果も耐久性も優れています。
(銅は耐蝕金属であり、特に耐海水性は、完璧では無いものの、一般のクロムニッケル系ステンレス・・・SUS304やSUS316等・・・より優れていますので、海水中でもそのまま使えます。)

          なお、殺菌性は銅合金でも確認されています。
     だから、1円を除き、全て銅合金である日本の硬貨は、結構清潔な筈です。
      (蛇足ながら・・銅以外で殺菌性を持つ金属としては、銀が有名です。)


施工上の注意点】

●銅は、鉄やコンクリートのように その辺に転がっている適当な接着剤で簡単に接着出来る金属ではありませんので、銅用の接着剤 が必要です。

●目視では分かりませんが、市販の銅板は、銅の輝きを保つため、たいてい腐蝕抑制剤を塗布してあり、接着剤によってはこれの悪影響を受けますので、施工に先立って十分な接着テストが必要です。

鋼材に貼り付けて水中に入れる場合、両者が直接接触すると、電池が形成され鋼材  が短期間で腐蝕しますので、両者を電気的に絶縁する必要があります。

例:↓銅板          絶縁性の良い接着剤↓(あるいは先にライニングかコーティングを行う。)

                                  
                          絶縁エリア広がると腐蝕電流が減る

                       ↓端部をかぶせて絶縁しても良い


銅板はDIYでも売っています。(メーカーは三井金属等)



                         まとめ
銅や銅合金板を被覆すれば、藻やフジツボや牡蠣の付着を防ぐ事が出来ます。この方法は、銅が 藻類や菌類の生育を阻害する という 古くからの経験的事実に基づくものであり、その効果は上述のように微量溶出する(ppmレベルの)銅イオンによってもたらされると考えられています。



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