ステンレスの防蝕

        Q、 ステンレスは何故錆びる?  

A1、ステンレスの耐蝕性は表面の“酸化皮膜”によるものですから、塩素イオン等   の特定のいろいろな化学成分還元性雰囲気磨耗、等といった“酸化皮膜を   傷つける悪役”が存在する環境では、腐蝕します

A2、熔接に伴う急加熱と急冷却はステンレスの熔接部近傍に大きな残留応力を発   生させたり、変質させたりします。
  変質や内部ストレスは腐蝕を促進します。
  (外部からの応力も内部ストレスと同じ作用をします。)

  さらに・・・こういう悪役が団体で来ると、相乗効果で腐蝕が加速します。

   そんな理由で、ステンレスの腐蝕は意外に日常的に起っています。

        証拠写真A   証拠写真
   (SUSには特性が異なる多数の品種がありますが、概ね弱点は共通です。)
 

ヘビーな実例・・友人がタンクをウッカリSUS304で作って塩酸廃液を入れました。
 しばらく経ったある日・・・ゲッ!タンクの壁から何やらポタポタと雫が・・???
 見たところ、タンクには何の異常も無いような・・・?? キャイーン!これがアノ・・
 ・・粒界腐蝕です。かわいそ・・クックッ(笑い噛み殺し)・・ステンレスではよく起ります・・

因みに、普通に作られた金属は全て、“金属結晶という石を隙間なく積み上げた石垣のような構造”をしており、粒界腐蝕というのはその結晶の境界に存在する“何か”だけが腐蝕する現象で、外見は、腐蝕していないように見えます。
海水に浸かっていた、(外見上異常と気付かなかった)12mmΦの銅のボルトが、スパナで軽く捩っただけで折れた経験があります。
だから、(何も気づかず、)ある日突然タンクが割れたり、液が染み出してきたり、ボルトが折れたりして慌てる事になります。 ニッケルクロム系ステンレスの熔接線付近の粒界腐蝕は、熔接の熱で、クロムが結晶粒界に析出してしまうのが原因だとされています。 (技法の詳細は知りませんが、)熱処理で戻せるそうです。
熔接部の粒界腐蝕は、しばしば、(例えば苛性ソーダ等)耐蝕データブックでOKとなっている水溶液でも起ります。(だから、友人のように、データブックを頭から信用して材料選定をしているプラント設計屋が、あちこちでコケます。 もうひとつ、よくあるチョンボが、塩ビ粉や、トリクレン、パークレン等の塩素系有機物容器の材質選定・・確かに、これらの材料がSUSを侵すことはありませんが(^^)・・こういう塩素系有機物は、例えば水分の共存や、何やかやの条件で“塩素イオン”や塩酸を遊離させることが“しょっちゅう”あり、それによってSUSは激しい孔蝕を起します。 そういう対象に、どうしてもSUSを裸で使うなら・・将来のそういう事態の発生はカクゴしておくべきでしょう。 ・・ナムアミダブツ・・

  応急修理法・・表面をケレンし、弊社の接着プライマーである
ファンデーション#64や64V、           64U等を塗布し、FRPライニングすればOKです。
  (内側からやるのが正しいやり方ですが、応急ならそうも言ってられないでしょう。)
  (なお、粒界腐蝕部にパチ当て熔接するのは、割れる可能性があるので危険です。)


    マ、そんな化学プラントはともかくとして、日常の世界では・・・

 ステンレスの天敵は海水です。その成分である塩です。

塩で腐蝕した実物を見たい方は東京湾岸の有明国際展示場に足をお運び下さい。
  (建造物のあちこちに錆びたステンレスが展示?してあります。拝観無料

           塩害の防ぎ方

塗装で防げます。・・・但し大抵の防蝕塗料は、ステンレスに塗ると剥れますので、“接着プライマー”を塗ってからにしましょう。
     

 折角のステンレスに、何でペンキ塗らにゃいけんのか!

質感ぶち壊しじゃ!ワシは嫌じゃー!ペンキ屋は好かん。アッチ行けっ!!シッシ・・という“デザインこだわり派”の方々に・・とっておきの方法があります。

“接着プライマーであるファンデーション#64Uを塗って、その上に硬質で無色透明な耐候性塗料であるファンデーション#129を塗れば、

一見何も塗ってないように見え、ステンレスの質感もバッチリ。


よしよし(^^)許す!素晴らしい!!・・アこれ自分で書いちゃマズいか・・
          デザイナー


チョッと待て ペンキ塗るんなら、何でステンレス使うんか?
     防蝕するなら何もステンレス使う必要はない! 鉄で上等じゃ

           という“経済合理主義者”の方々に・・・

              保険です。ほけん!
       塗装なんて信用できますか?

         ・・・何かマズイこと言ってるような気がするけど・・・


        (同じ方法で、銅合金アルミ、亜鉛の塗装も出来ます。)

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