最もシンプルな塗布防水仕様

 コンクリート製の屋上やベランダ等で、漏水する可能性があるのは、1・接合部 2・RCの施工欠陥(クラック等) の二つであり、長期的には、3・施工後の腐蝕によって、コンクリート自体が劣化し、透水化します。
          コンクリートの漏水場所参照
     つまり、その3点に対処すれば、コンクリート構造物は防水出来ます。
 
    以下に紹介するのは、その三つに対処した
最もシンプルな防水仕様です。

(但し、この仕様には、クラック追随性が有りませんので、地震等の偶発的事故で、“新規クラックが発生したら、そこから漏水します。 
その場合には、そこを“補修”すれば良い。その方が、高いコストをかけて、可能性が低い事故にそなえるより経済的だ。」というのが、この仕様の設計思想です。)


具体的に説明するため、弊社の製品による施工法を解説しましたが、同じコンセプトの製品であれば、何処の何を使おうと、結果は同じです。

施工法

1・先ず、全面の下地処理をします。
(グラインダー等でコンクリート表面のレイタンスや汚れを除去する作業であり、全工程で最も重要です。これによって、耐用年数が左右されます。プロローグ下地処理は何の為に行うのか、参照)

2・全面にファンデーション#123を塗布します。
コンクリートを不透水化し、微細なクラックを封止し、全体を防蝕するためです。
コンクリート床コンクリート槽の一番簡単な防蝕法 参照)

3・全ての漏水点を部分施工でシールします。
部分施工のやり方と材料 参照)

4・全体に耐候性ウレタン塗料を塗布します。
ファンデーション#123を紫外線から守るためです。
(耐候性ウレタン塗料はどこでも市販されています。フッ素系でも構いません。)

               以上で終りです

もし、その現場特有の個別の事情があれば、必要な部分に、それを、付け加えます

例えば、(通常は有り得ませんが、)施工時に、もし、構造クラックが存在すれば、その部分だけ、
クラックに対応した防蝕ライニング で封止します。
重量物が通行するため、耐磨耗性が欲しい、という場合なら、その部分だけ、レジンモルタルやFRPを被せ、ノンスリップ性が必要な場合は、そこに防滑剤を散布接着させる、といった具合にです。


                      補足説明                  

 本仕様は、「長期的耐用」を担保する手段として、「修理性に着目したものです

   つまり、この全面完全接着方式は、(もし、漏水トラブルが発生しても、)
   漏水点と破損箇所が一致する
ため、破損箇所は容易に見つけられます
          だから、修理が容易です。(全面防水の二つの方法 参照)
(現在、多用されている多層膜構造は、クラックが多発したり目地切りしてあるような下地に対しては、
 それなりの合理性が有りますが、ベランダのような単純な構造に対してはそうではありません。
 現状の多くの防水法の最大の欠陥は(破損部を探すのが困難であるため)「実質的に、修理が出来
ない。」
という点です。 そのため、シート防水等の改修では、「全面にもう一枚、防水層を重ねる」
という方法が唯一の選択肢になってしまいます。)


          この仕様のもう一つのコンセプトは「ムダを省く。」というものです。

コンクリート構造物の場合、基本的に、漏水する箇所は接合部だけなのですから、基本的にはそこだけを選択的に封止し、その他の大部分は実用上、(コンクリートを非吸水化し、かつ酸性雨などによる腐蝕から守れる程度の)薄いコーティングをするだけで十分です。
           (雨曝しコンクリートの劣化機構とその防蝕法 参照)


              そしてもう一つが“多機能”というテーマです。

現代の建築物の屋上は、駐車場にする、土を入れて緑化する、省エネルギーのため、断熱機能や日光反射機能をもたせる、或いは逆に日光を取り入れる窓を設置する、といった風に、様々な機能を持たせる傾向がありますが、 この方式は、そういった要求に対応した表面仕上であるFRP、レジンモルタル、ゴムシート、アスファルト舗装等と自由に組み合わせて一体化する事が可能です。 
目的は防蝕だけですか?参照)

                現状の方法の問題点

かつて建築屋さん、或いは日本の社会そのものの基本スタイルは、“全部撤去して作り直す”でした。
しかし最近は、「修理しながら、出来るだけ長く使う」という、考え方に変ってきているようです。 
 貧乏性で・・“修理大好き”という弊社にとってはウレシイ変化です。

ただ、過去のそういうスクラップアンドビルドの思想には、往々にして、「修理を想定して作る」という視点が欠けていたため、「修理出来ないように工夫?した」んじゃないかと思われる物すら作られています。
そういう物の修理には困難が伴います。

例えば、現状の防水仕様の多くは、「修理の事を考えていないのではないか?」と思えるくらい、「修理性」欠陥が有ります。  (修理不能な物 参照)
その他、たかが漏水防止程度の機能のために、)1uあたり5Kgや10Kgもあるような防水膜を被せ、その改修法として、さらに同じ重量のシートを被せるといった事も行われていますが、廃棄時のゴミの量を考えても、こういう方法には少なからぬ問題があります。 やり過ぎです。
   大抵の場合、その膨大な厚み(と重量)は、機能や耐久性に関して、何の役割もしていません。(^^)



               トップページに戻る