貼りもの


リノリュ−ム、Pタイルなどのプラスチックシート、ゴムシート、金属シート、タイル、レンガ、ガラス、石材、木材、紙、布・・・

そういった 板状、シート状のもの接着剤で貼り付ける施工法 です。
      (粒状やブロック状であっても、一向にかまいません。)
 
    貼りもの施工のポイントは、接着剤の選定と 継ぎ目のシール法です。 
              (接着剤の選び方・・・参照)


材料選定の仕方

              まず、施工の目的をはっきりと決めます。

防塵なのか、耐磨耗性なのか、非吸水化なのか、洗いやすくするためなのか、
あるいは、ノンスリップ、断熱、通電、防振、デザイン、等など・・・

               それによって、使う材料を決めます。
その中から、コストや施工性等いろいろな要素を勘案して最終的な仕様を作ります。

防蝕用途には、ゴム、耐酸タイル、耐酸レンガ、塩ビくらいで、他はほとんど使いませんが、それは、一般的で無いというだけの事であって、使えないからではありません。

                  ・・一例を挙げてみます・・


すべりやすさを目的とした貼りもの
フッ素樹脂・超高分子量ポリエチレン・ポリアセタール・・・・・


どんな材質であれ、表面を平滑にして、水や油で濡らせば滑りますが、これらは、乾いた状態でもよく滑る材料です。


フッ素樹脂

炭素とフッ素が結合した材料(フルオロカーボンという名前で一括りにします。)は、化学的に非常に安定しています

フルオロカーボンの合成法が進歩したのは、戦争中であり、広島に落とされたウラン型原爆の中間原料である放射性六フッ化ウランの分離装置の耐蝕性シール材として、液状のフルオロカーボンが使われたのが、最初の用途だったようです。(アイザックアシモフ著・・・存在しなかった惑星:早川書房)

フッ素樹脂で一番有名なものは、“デュポン社”のポリ四フッ化エチレン(略称:四フッ化、商品名:テフロン)であり、耐蝕性、耐熱性、非粘着、低摩擦係数の四つが広く知られた特徴です。
溶融温度が高く、かつ、それが分解温度と接近しているので、コーティングには特殊な下地処理と、温度管理が必要で、そういった設備とノウハウをもった工場しか、塗装できません。
  (だから、必要なときはそういう専門加工会社に発注して加工してもらいます。)

この加工性を改良するため、三フッ化にしたり、二フッ化にしたり、他の炭化水素と共重合したり(例えば、エチレンとの共重合・・・旭硝子鰹、品名:アフロン)そういったいろいろな“品種”或いは“変種”が市販されています。
いずれも、上記四つの特徴をかなりのレベルで保持しています。

「なお、市販されているフッ素樹脂“塗料”は、こういった共重合体の低分子量のものに、さらに-OH基などの側鎖をつけ、それを例えば、ポリイソシアネート等でつないで造膜させるものであり、性能的にはテフロン等とは比ぶべくもないほど低下します。
(しかし、それでも通常の塗料と比べると、化学的安定性は良好です。)
旭硝子鰍ェ、世界で最初に開発し、ボンフロンという商品名で子会社から発売しています。 ルミフロンという名で自社製品も出しています。(現在は、多くの塗料メーカーも、類似品を市販しています。)」

 こういった、コーティング法とは別に、シート類を接着するライニング法があります。
            この場合は二つの接合法があり、

    一つは、表面処理をして、接着剤でくっつけるやり方。
 
もう一つは、グラスファイバー等の束を半分だけ樹脂にめり込ませたシートを作っておき、その上に熱硬化性樹脂をライニングして一体化させるという方法です。
メッキ槽の内面ライニング等に使われていますが、もちろん他の用途にも使えます。 
 
      後者の変形として、アンカー付シートを用いる方法があります。


 (旭硝子エンジニアリング鰍ェPATをもっています。
 構造クラックのシール法参照





  いずれにしても、フッ素樹脂は他の樹脂に比べると、材料も加工も高価です。
  だから、よほど厳しい、温度、薬液条件が重なった時に使う。というのが原則です。

        加工は、上述のように専門業者に頼む方が無難です。
              (というより一般では出来ません)



超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)

           通常、目に触れるプラスチックは熱をかけると溶けます。
               分子量は、MAX せいぜい、数十万です。
これを、50万、100万、あるいはそれ以上というレベルまで大きくしていくと、加熱しても溶けなくなってきます。そういうものを超高分子量プラスチックと言います。
それらは溶融粘度が高過ぎるので、通常のエクストルーダ−等の成型機で成型することはできません。  そして、性質も一般のものとは、似て非なるものになります。

     そういう物の一つが、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)です。
       非粘着、低摩擦係数、耐磨耗性、衝撃吸収性が、特徴です。
普通のポリエチレンよりは、ずっと高価ですが、フッ素樹脂よりは格段に安価です。
(作新工業梶A旭エンジニアリング梶A塩谷化成鞄凾ェ加工製品を販売しています。)

鉄やステンレスが、岩石や砂で削られるのを防ぐために、保護材としてかぶせたり、ブルドーザーのバケットに泥付着防止と磨耗防止のために貼ったり、潤滑性と耐磨耗性、衝撃吸収性を生かして、人工関節を作ったり、引き伸ばしてアラミドを超えるほどの強力な繊維を作ったり(東洋紡梶E・・ダイニーマ)、エンジニアリングプラスチックとして、音のしないギアを作ったり、重量物を搬送するコンベアローラーを作ったり、滑り台や、氷を使わないスケート場等など、いろいろな(通常のプラスチックやポリエチレンでは全く思いもよらない)用途に使われています。
  耐磨耗性のプラスチックとして、耐磨耗ウレタンと並ぶ、横綱級材料です。

非粘着、潤滑性を活かした用途としては、他に、スラッジホッパー粉体ホッパーのライニング、ダンプカーの荷台のライニング、スライド型ベアリング等に用いられます。
(こういう、すり合わせる用途では、同種の組み合わせ・・・例えば、テフロンとテフロや、UHMWPEとUHMWPEのような組み合わせは、磨耗しやすいので、タブーです。必ず、例えば、UHMWPEとポリアセタールのように、異種材と組み合わせるのが基本です。)

ポリエチレンには、通常の接着剤が効きませんので、表面処理をしたり、弊社のSKIPシリーズのような特殊なタイプの接着剤で接着します。


ポリアセタール

          これも非常によく滑るプラスチックです。
前二者と違い、普通に成型できるという長所があります。

接着はやはり、難物です。
(弊社では、今の所、ポリアセタール用の接着剤は手がけていません。)


                 その他のシート類
 
     Pタイルやリノリュームを“水を流す”工場床に貼るのはタブーです
タイルの材質も、接着剤も、施工法も全部、“乾いた場所で使う”という前提になっており、水を流すと継ぎ目からタイルの裏側に回り、浮き上がってくるからです。
改装を頻繁にやる店舗等の床タイルは“剥し易い”ように貼る方が気が利いています。
(剥さなくちゃいけなくなった時は、接着剤の剥し方 参照)

          現場で防蝕に使う代表は、ゴムシートと塩ビシートです。
   (その他、ポリエチレン、ポリプロピレン、等々、工場生産なら、何でもありです。)

ゴムライニング・・・一般的なのは、未加硫のゴムシートをゴム系接着剤で貼り、その後スチーム等で加熱して加硫する方法です。
(加硫済みの物は変形し難いので、複雑な形状の物には貼れません。また接着も困難になります。)
但し、この方法は専門業者しか出来ません。(未加硫ゴムシートも加熱加硫型接着剤も、コネが無い限り、先ず入手は出来ません。私達も最初は入手に苦労しました。工具も一般の金物屋で売っている類の物ではないです。プロは自作しています。)
入手し易いのは“加硫済みのゴムシート”です。床や壁等単純な形状の物にしか貼れませんが、DIYでも売っています。大抵SBR(スチレンとブタジェンの共重合物、安価、自動車タイヤ等に使う),あるいはNBR(アクリロニトリルとブタジェンの共重合物、耐油性が良いので、燃料チューブ等にも利用される。)です。
               接着には工夫が必要です。
表面をサンドペーパーで擦って、ゴム糊を両方に薄く塗って、乾かして、貼り合わせる。
という手順です。   但し、
  DIY等で売られている“いわゆるゴム糊”では耐久性のある接着は出来ません
       (コンベアベルトの修理材 防蝕用接着プライマー 参照)

                塩ビシート或いは板の貼り方
       エポキシ接着剤で・・・という一般論は通用しません・・
 塩ビを接着出来るエポキシ接着剤もあるし、出来ないエポキシ接着剤もあります。
       (弊社のアシスト6E、やアシスト6Uは塩ビも接着出来ます。)
    (塩ビの接着に関しても、上記防蝕用接着プライマーを参照して下さい。)

                 磁器タイル、石材の貼り方

        普通に貼るなら、建材店の安価な接着剤で十分です。
ただし、厳しい用途なら、ちゃんとしたエポキシ接着剤や表面処理剤が必要です。
                  (水と接着 参照)


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