何故、風や日光で水が乾くのか?
雲や霧は何故出来るのか?
《水面からの脱出》 (気体分子より多少遅く、)液体分子も高速で運動しています。
そしてその個々の分子が持っている熱運動エネルギーは、(確率分布で)必ずバラつくため、少数の高エネルギーの(=速度が大きい)水分子は常に空気中に飛び出しています。
《水への飛び込み》 その逆に、空気中から、水に飛び込んで、捕捉されるものもあります。
《出入りの均衡》 相対湿度100%と言うのは、出る数と入る数が等しい状態の事です。
理屈上、水を入れた密閉容器の中の空気の相対湿度は、最終的に必ず100%になります。
《その状態で温度が下がれば・・》 水中の水分子の平均運動速度が遅くなりますので、水面から脱出する数が減ってきます。一方空気中の水分子も運動速度が遅くなるので、同じ気体水分子や水面に衝突したら捕捉される確率が高くなります。
脱出数が減って捕捉される数が増えるのですから、空気中の水分子の数は、減ります。
《だから》 温度の低下と共に、(相対湿度は例え100%でも)絶対湿度は必ず下がります。
寒い冬の空気が乾燥するのはそういう理由によってです。
相対湿度が100%未満なら、(飛び込むより飛び出す数の方が多いので、)いずれ乾きます。
《逆にもし》空気中に充分の湿気が有り、水温が、気温より十分低ければ、飛び込む分子の多くが(熱運動エネルギーの低い、低温分子集団との)衝突によって、再脱出のエネルギーを失うため、水の量は増えてきます。
この現象が水以外の物体の表面で起れば、“結露”と称されます。
雲や霧は、空気中で進行する結露です。
これは上空で気温が下がる=運動速度が下がる事によって、衝突した気体の水分子が接着して集合体になったものです。
《但し》気体同士の衝突では、少々温度が下がってもなかなか両者が接着するところまではいきません。
《しかし》もし、分子と比べればはるかに巨大な固体である海塩粒子や塵埃等が空気中に沢山浮遊していれば、それらは固体であるため構成分子の運動速度が小さいし、表面エネルギーの分だけ、水分子を補足する力が大きいので、それに衝突した水分子は、より容易に接着し、成長してゆきます。
《だから、そういった物が浮遊していれば》 無い場合よりは容易に、雲や霧が生じます。
そういった物質は凝結核と称され、人工降雨の目的でわざとばら撒かれたりします。
なお、雲と霧は同じものであり、地面にくっついていれば霧、離れていれば雲という習慣になっているそうです。
もやとか霞も同じものであり、これは(水滴の分布密度の大小に由来する)空気の透明度で分けるそうです。
水滴が成長して落下速度が目で分るくらいになれば霧雨、もっと大きくなって、目にも止まらぬ速さで落ちてくると、雨と称されます。(水滴の直径0.5mm近辺で適当に分類しいるようです。)
要するに全部、衝突による分子間結合の結果です。
さて、水面から空気中に飛び出した分子は、常温常圧では、平均0.1μmくらい飛んだ時点で、空気の分子に激突します。それによって、かなりの数が、(空気中から水に飛び込んでくるものと一緒になって、)また、水の方にUターンします。
Uターンしなかった水分子は、、空気分子と衝突を繰り返しながら、徐々に、水表面から離れてゆきます。
そういう(拡散)現象の結果として、水面近くの相対湿度は、常に100%近くになり、そこから離れるに従って、徐々に下がってゆく、という湿度の勾配が出来ます。
いくら空気が乾いているといっても、水の表面は、この層で蓋をされており、そこから相当数のUターン組が供給されるため、(この層がある限り)乾燥速度は大きくはなれません。
(空気の流れが無ければ、乾燥速度=拡散速度です。これは非常に小さい値です。)
風が当たると早く乾燥するのは、このUターン組供給源が、吹き飛ばされるからです。
(当然ながら、湿度100%の風では、それ自体がUターン組供給体ですから、乾燥しません。)
加熱や日光で早く乾くのは、水に、(空気中に飛び出すための)熱運動エネルギーが注入され、飛び出す分子が増えるからです。
(但し、接着や剥れには別のメカニズムもあります。)
ところで技術屋は、“すぐ理屈を捏ねる、殺伐とした生き物である”と、誤解されています。
少しは、ロマンチックな対象にも目を向け、世間やカミさんの誤解を解きませう。
バラの花が匂うのは、・・・
芳香性オイルの液中の、運動速度が大きい分子が、分子間結合を振り切って空気中に飛び出し、拡散し、鼻の粘膜の水と衝突し、一部のものは分子間引力で捕捉され、水の中を動き廻り、特定の細胞表面の特定の分子と分子間結合する事によって、何らかの信号を誘発し、それが脳に伝えられて匂いとして認識される・・・といったことでしょう。
離合集散の形式は、水の蒸発や凝結と同じです。