粘着と接着は何が違うのか?


                【接着の原理】
          【“真の意味の接着力”という概念】

被着体の表面と接着剤分子が接近すると、その間に電気的引力や水素結合やファンデルワルスの力等の分子間力が働いて、結合します。(接着とは何か 参照)
それが、接着現象の根本機構であり、その結合力が「真の意味の接着力」と考えられますが、それを直接測定する方法は、今のところ有りません。

 【では、カタログや文献で“接着力” として表示されている数値は一体何か?】

一般には、接着剤が硬化した後、その部分に“引張り” “せん断” “90度剥離” 等の形で特定の方向から力を加えて壊し、それに要した力を「接着力」と表示します。
つまり、この方法で実際に計測しているのは、上述の「真の意味の接着力」では無く、(接合構造の)「耐破壊力」です。

だから、(実際は、上述のように真の意味の接着力は、被着体と接着剤分子が接近した瞬間に形成され、硬化の進行に伴って増大する内部応力や歪の分だけ、刻々と減殺されている筈なのですが、)この計測値である「耐破壊力」“接着力”と定義してしまうと、“接着剤がまだ液状である間は、外力を支えられない”ので、“接着力”ゼロであり、それが硬くなるに従って“接着力”が上る、という逆の認識がされてしまいます。

       【粘着と接着は何が違うのか?】

       接着も粘着も、根本は上述の“分子間力”であり、同一の現象です。

                 一言で言えば、

 固化するのが接着剤、餅状を保つのが粘着材です。


     固化すれば耐破壊力が大きくなります。

  接着が最終的に“必ず”固化するのは、その「耐破壊力」を得るためです。
しかし、固化に付随する内部歪はストレスとなって、その分、真の接着力を減殺します。
そして、固体は、外力や熱膨張等によって生じる様々な力をストレートに「接着界面」に伝えます。それもまた真の接着力を減殺します。
そしてまた、それらの界面ストレスは、例えば、界面への水の呼び込み等、接着破壊につながる様々な界面現象を誘発促進させます
   つまり、“固化”は外力を支える力を付与すると同時に、“剥れ”の原因を作ります

     そういった剥す力が「真の接着力」より大きくなった箇所は、「剥れ」ます。

そして、“固体”には“壊れたら元に戻らない” という属性が有るので、“破損” は累積します。
     つまり、“接着劣化” は虫歯のように不可逆的に進行します。

一方、餅状である粘着は容易に変形するので、外力を支える事は出来ませんが、それ故に、諸々の接着劣化要因の元凶である接着界面ストレスも発生しません

  加えて、液体の属性である “壊れても元に戻る” 性質があります。

 その二つの理由により、“粘着劣化”“接着劣化”程簡単には起りません。
        (粘着は接着より格段にに長持ちします。)


              だから、

 接合部に「耐破壊力」を求めない用途なら、接着より粘着の方が合理的です。
                ずっと長持ちします。


          接着と粘着のその他の差異・・【リサイクル性】
      (真の意味の)接着というのは、液体だけが持っている機能です。
エポキシ接着剤で接着した部分を剥してから、元に戻そうとしても戻らないように、固化してしまった接着剤は、もはや「接着剤」ではありません。
     その意味で、接着剤はリサイクル出来ません。

一方、粘着材は、多少液状を保っているが故に、(真の意味の)接着機能も維持しています。
(餅状の物が、ベタベタネチャネチャするのは、接着機能と耐破壊力が共存しているからです。)
           だから、粘着材は、剥しても再粘着します。
      だから、粘着材は何度でもリサイクル出来ます。

例えば、現場から回収したクレージーラバーは、そのまま、別の箇所にも再使用出来ます。
弊社の製品である「何にでも粘着するゴム状物質」)

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