解説
    エポキシ樹脂

ウレタンやエポキシ樹脂の使いこなし方は、不飽和ポリエステル、ビニルエステルやMMA樹脂とは、本質的な違いがあります。
出鼻をくじく様ですが、エポキシ樹脂を自由に使いこなすには、年数がかかります。

不飽和ポリエステルやビニルエステルの硬化剤は、反応開始の第一撃を与えるだけであり、あとはラジカル反応が勝手に進行して固まります。

だから、硬化剤に何を使おうと、固まったものの性質はアバウト同じです。

樹脂をA、硬化剤をBで表すと、硬化物は、BAAAAAA・・・という形になるので、Bの影響なんかほとんど出ないからです。(それで、硬化剤の量を変えてもかまわないし、攪拌が多少不足してもたいしたトラブルにはならないんです。)

一方、エポキシ樹脂やウレタン樹脂の主反応は、樹脂と硬化剤が、ABABABAB・・・・というように、交互に繋がっていくものです。(だから、配合比を正確に守らないといけないし、均一になるまで良く混ぜないといけないのです。)ABAB・・・ですから、硬化したものの性質の半分は硬化剤で決まります

つまりエポキシ樹脂というのは、、硬化剤に何を使ったかで、硬化物のあらゆる物性が変ります。(言い換えると硬化剤を変えることによって、物性を変えられるということです。)
ですから、例えば「不飽和ポリエステル、ユピカ4516Pの硬化物の性質は○○○である。」ということは言えますが、「エポキシ樹脂、例えばシェルのエピコート828の硬化物の性質は×××である。」という言い方はできません

まず、それだけはしっかりと、認識しておいてください。

ちなみに、硬化剤は日本だけで少なくとも1000種は販売されていると思われます。比較的スタンダードなエポキシが、10種くらい、特殊なものはその10倍くらいでしょうか。

     エポキシ樹脂硬化物の種類は、この組合わせの数だけあります。
補修パテも、水中接着剤も、油面接着剤も、ゴム状接着剤も、耐酸エポキシ塗料も、耐熱エポキシ塗料も、耐溶剤エポキシも、すべてこの何万、何十万という組合せの中から探してくるのです。(実際は、これに無数の充填材や添加剤、改質材を組合せますので、配合の組み合わせは 天文学的数字になりますが、 それをセッセと実験し、コツコツとデータや経験を積み上げて、目的の物性を持った物を作ります。 そういう仕事をやる人や会社を フォーミュレーターといいます。 弊社もそのひとつです。 )
“どれとドレを混ぜたらどうなるか?”・・それは多分、5年か10年、混ぜたり固めたりを繰り返す事によってのみ、マスター出来る“感覚”でしょう。
 
閑話休題
というわけで、独創的な配合品はフォーミュレーターの汗の結晶ですから、少々高くても買ってあげて下さい。 (例えばウチから・・・・冗談ですよ・・)

(しかし、他社製品の缶のラベルを張り替えただけの商社商品に何倍もの金を払うのはナンセンスと思い・・・マ・・しかし、特定のブランドマークが付いた量産品の袋を100万円で買う人がたくさんいるリッチな国で、そんなしみったれたことを言うのはよしましょ・・我社だって、金が余って困ったら、札束燃やしてタコ焼作ってますから・・他人様のことをとやかく言えた義理ではありません。)
  
それはともかく、このホームページは、不特定多数に、そのフォーミュレーションの初歩的テクニックも教えようというものです。 ・・何のために?・・ 
・・理由はいろいろありますが、言うと誤解する人が居そうなので・秘密・・

ウレタン樹脂へ

トップページへ戻る

通常、樹脂ライニングに使うエポキシ樹脂は、液状のものです。

ビスフェノールA型と、F型の二種類あります。
性質はほぼ同じですから、好きな方を使ってください。
毒性安全性に関するお知らせ 参照)

この他、反応性希釈剤を加えて、粘度を下げたものがあります。
こちらの方が作業は楽ですが、多少、希釈剤の臭気があります。

反応性希釈剤にも たくさんの種類があり、それらを基本樹脂に混ぜた品種も売られています。
代表的なものを幾つか、以下にリストアップします。

メーカー名/タイプ ビスフェノールA
タイプ
希釈タイプ ビスフェノールF
タイプ
旭電化工業(株)アデカレジンEP-4100アデカレジンEP−4530アデカレジンEP−4901
大日本インキ
工業(株)
エピクロン840エピクロン857エピクロン830
JER(旧シェル)エピコート828エピコート801エピコート807
三井化学(株)
東都化成(株)など




買うときは、カタログを取り寄せることをお薦めします。
大抵、簡単なコメント付で硬化剤も載っています。
もちろん、他社の硬化剤と組み合わせたって、何の問題もありません。
硬化剤は、無数にありますから、カタログのコメントを参考に好きな物を選んで下さい。臨機応変のバリエーションで、多様な目的に対応する、というのが、この材料の特徴ですから、特定の物の推奨や紹介は出来ません
                    値段

エポキシ樹脂800円/kg 前後
硬化剤いろいろ、一般的に主剤よりはずっと高い

硬化剤のカタログを見るとき、
コメント以外の重要な情報は、

粘度と、ポットライフと、標準配合比です。

粘度は、作業性をチェックするポイントの一つです。
ポットライフは、作業性や硬化条件の設定に必要な情報です。
配合比は、ちゃんと固めるための絶対不可欠の情報。

[一般的注意]
 
 [エポキシ樹脂(主剤)]
 
一般的なエポキシ樹脂は、5年や10年保存しても、変化はしません。
ただし、寒冷な所に保存すると、結晶化して白く濁ることがあります。
これを、そのまま使うと硬化不良を起こしますので、そのときは、透明になるまで加熱して融かしてください。

[硬化剤]

一般的硬化剤は、アミン類です。
これは、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸塩を作りますので、必ず蓋をキチンと閉めて保存してください。
炭酸塩になったものは、エポキシ樹脂とは、反応できません。
そしてこれは、表面に浮いてくる傾向があります。
・・・で、どうなるか?
表面の硬化が甘くなります。(データをどう解釈するか・参照)
目で見ても分かりません、飲料水試験や溶出試験をやると違いがでてきます。出たって、通常はどうってことないんですが、食品タンクなんかやるときは、“味変わり”の問題が出るかもしれないので、十分な気配りが必要です。