そういう働きをする層のことを弱境界層といいます。
例えば、錆びた鉄に接着剤を効かすようなときは、錆の層=弱境界層になります。
コンクリートに接着やライニングを行う場合は、レイタンス(
プロローグ:参照)と“劣化表面”(
コンクリートを腐蝕させるもの・
雨ざらしのコンクリートの劣化機構:参照)が、弱境界層として働きますので、
除去しておかないと、上図のメカニズムによる“剥がれ”を招きます。
【除去方法の例】
電動式ダイヤモンドサンダーによる研削
バキュームクリーナーとセットで使えば、
埃はほとんどたたない。

付着力が弱い旧塗膜はすべて除去
しなくては、ならない。
この上からライニングすると、
根こそぎ剥がれる。

高圧熱水洗浄(200kg/cm2 95℃)
固着したスラッジなどを手早く除去できる
このあと、ダイヤモンドサンダーで削れば
ライニング可能な下地になる。
〔コンクリートの厄介な問題〕
コンクリートは引っ張り強度は、高々数kg〜数10kg/cm2しかありませんので、それに何かを接着ライニングして
テンシル方向に引っ張れば、数kg〜数10kg/cm2の力で、その表面が材料破壊します。(つまり、剥れます。)
つまり、その意味で、
“それ自体が弱境界層である”とも言えます。
(但し、力の方向が変わればこの数字も変ります、
接着力参照。)
どんな場合であれ、下地とライニング層の境界には、両者の熱膨張の差や硬化収縮などにより、
ライニングの膜厚と弾性率に比例した界面応力が発生します。
(つまり、
ライニングが厚く頑丈になればなる程、下地にかかるストレスが大きくなる、という関係です。)
だから、コンクリートの場合、ライニングを過度に厚く頑丈にすると、剥れます。
(
界面応力と接着安定性:参照)