ケレン(クリーニング)の対象となるもの

〔3〕弱境界層


弱境界層というのは、接着業界の用語です。(WBRという隠語で表現される事もあります)
被着体(=下地)表面に、付着力や材質が弱いものがのっかっていると、接着しても小さな力で下図のように剥がれます。

接着剤
 弱境界層

 下地




or

こんな形になって剥がれる

そういう働きをする層のことを弱境界層といいます。

例えば、錆びた鉄に接着剤を効かすようなときは、錆の層=弱境界層になります。

コンクリートに接着やライニングを行う場合は、レイタンス(プロローグ:参照)と“劣化表面”(コンクリートを腐蝕させるもの雨ざらしのコンクリートの劣化機構:参照)が、弱境界層として働きますので、除去しておかないと、上図のメカニズムによる“剥がれ”を招きます

                      【除去方法の例】

 
  電動式ダイヤモンドサンダーによる研削
  
  バキュームクリーナーとセットで使えば、
  埃はほとんどたたない。








  付着力が弱い旧塗膜はすべて除去
  しなくては、ならない。

  この上からライニングすると、
  根こそぎ剥がれる。







  高圧熱水洗浄(200kg/cm2 95℃)

  固着したスラッジなどを手早く除去できる
  
  このあと、ダイヤモンドサンダーで削れば
  ライニング可能な下地になる。






              〔コンクリートの厄介な問題〕

コンクリートは引っ張り強度は、高々数kg〜数10kg/cm2しかありませんので、それに何かを接着ライニングしてテンシル方向に引っ張れば、数kg〜数10kg/cm2の力で、その表面が材料破壊します。(つまり、剥れます。)
つまり、その意味で、“それ自体が弱境界層である”とも言えます。
(但し、力の方向が変わればこの数字も変ります、接着力参照。)

どんな場合であれ、下地とライニング層の境界には、両者の熱膨張の差や硬化収縮などにより、ライニングの膜厚弾性率に比例した界面応力が発生します。
(つまり、ライニングが厚く頑丈になればなる程、下地にかかるストレスが大きくなる、という関係です。)
   だから、コンクリートの場合、ライニングを過度に厚く頑丈にすると、剥れます
                (界面応力と接着安定性:参照)


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