木材の防カビ、抗菌、防蝕法

「防腐剤を塗るだけが防腐法・・ではありません」

   屋外の木材は主として腐朽菌の着生、増殖によって腐食しますが、その防ぎ方として次の三 っつのやり方があります。
 

1、湿らないようにする(乾き易くする)

【解説】水が無いと菌は増殖も生長もできません。
塩漬けにして乾かせばもっと効果的でしょう。
シリコン系やフッ素系の撥水剤を塗布するのも有効です。
 

2、菌が付着、生育できない表面を作る

   【解説】腐朽菌は菌系を木材内部に延ばして木材を分解しながら生長しますので、木材表面 を木材とは異質な(菌系が入り込めないような)膜で覆えば生育を防げます。
   木材の表面だけを焼いて 炭化させる ”焼き板”という伝統的防蝕法は、古い民家の壁板 などに今も残っています。(これは、虫による食害を防ぐ効果もあるようです。)
   それに代わる現代的なやり方は・・・塗装です。
 

3、毒物を塗ったり、しみ込ませたりしておく

(ここで言う“毒物”とは、“菌にとって”の意味です。人に有害かどうかということではありません)
【解説】腐朽菌を殺す毒物、例えばクレゾール等を塗布しておけば、胞子は発芽も生長もで きません。
   そういった毒物を塗料に混ぜて塗る方法が防黴塗装や抗菌塗装です。
   塗料に混ぜる事によって、(雨などで)溶失し難く、臭気が少なく、効果がゆるやかに長期間 持続するようになります。
 
   毒物を“その場で適宜生産する”方法もあります。
 
   (光が不可欠ですが、)アナターゼ型酸化チタンを用いる光触媒によって活性酸素生産し て、菌を殺したり、生長を止めたりすることは、理屈上は可能です。(技術的には色々な壁があります。)
 
   (水分が不可欠ですが、)銀の触媒作用を用いた抗菌剤は、商品化されています。
   (品川白煉瓦㈱)
 
   “生産”とは少しニュアンスが違いますが、銅から銅イオンを溶出させる方法は船底塗料など で長い歴史があります。
 

【各方法の問題点と注意点】
 
   木材は元々 水を吸いやすく 乾きにくい素材なので、何もせずに外に雨ざらしにすれば 、必ず湿ります。(だから必ず腐ります。)
 
   だから、腐らせないために、上記2か3の方法を使うのですが、方法や材料の選定には次のような注意が要ります。
銀のような触媒方式は、表面に汚れが付着すると効果が出せなくなりますので、汚れにくい場所でないと実用性はありません
光触媒の場合は当然、光が当たらない所では無意味です
毒物の場合は、微量ではあっても、それが溶出することが前提ですから、そのことが他に害を及ぼさないかどうかをチェックしておく必要があります。
塗装方式の場合は、木材となじみが良い材料でないと短期間で剥がれてしまいますし、天然原料を使った油性ペイント等は、それ自体が別種の菌や黴で分解されます。
 

私達の提案
 
最善の方法の一つとして、ウレタン樹脂のコーティングをお奨めします。
 
“手前ミソ”と思って頂いても構いませんが、例えば弊社の“ファンデーション#123”や“ファンデーション#129”を塗布するやり方です。(もちろん、他のメーカーの物でも一向に構いません。)
 
“#123”、“129”に関して言えば、
1、乾いた木材に塗れば、その後雨に濡れても(水は内部に入らないので)内部は乾燥状態
を保ちます。
2、樹脂は疎水性なので水をはじき、すぐ乾きます。
3、木材表面に存在する小さな穴はすべて塞がりますので、汚れも胞子も付着しにくくなり、
着いても容易に洗い落とせます。ダニや虫なども住み着きにくくなります。
4、菌系は、樹脂中に入れませんので木は腐りません。
5、木材との接着性は、すべての塗料の中でウレタンが一番であり、剥がれる心配はまず
ありません。
・・・という仕掛けで、腐朽菌による腐蝕を防ぎます。
 
さらに、
何か塗っている”という感じにしたくない場合、塗料を溶剤で薄めて、仕上がり具合を確認しながら 何回にも分けて塗布する”というやり方をすることによって、”塗料を塗っているのかいないのか分かりにくいような外観”にすることも可能です。
(微量でも、含浸させてあれば 水をはじきますので、相当のレベルの防腐性があります。)
●木材表面が劣化して弱くなっていても、樹脂を含浸させると強くなります。
●これらの塗膜からの有害物の溶出はありませんので、食品や飲料水に触れても安全です。
屋外の木製遊具動物園の木製設備畜舎、養魚場、食品加工工場、厨房などの木製壁、柱、床、施備、ヨットの木製床などに適します。
 

参考資料として ファンデーション#129と#123の 飲料水による溶出試験の結果を載せておきます。(特に過マンガン酸カリ消費量の項目にご注目下さい。 この数値が小さいという事は、絶対値としての有機成分溶出量が小さいという事を示唆します。)
 

ご注意!

しつこいようですが、この方法は腐朽菌の着生と生長を邪魔する方法であり、付着した生物を“殺す”方法ではありません
だから、屋外の水中に入れれば木を栄養源にしない藻やフジツボは着きますが、“着いても落し易くする”というコンセプトです。
 
生物に対する毒性成分を溶出させて 殺すことによって、付着そのものを防ぐ、という船底塗料防カビ塗料のコンセプトと 混同しないように御注意下さい。
 
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