水性塗料と溶剤型塗料
固体や水飴状である塗膜形成材料を、熱で溶かしたり、そのままコテで塗ったり高圧のエアレススプレーで塗布したり、といったアノ手コノ手の方法で塗膜化するのが無溶剤塗装であり、その材料が無溶剤塗料です。
(大抵mm単位の厚さになるので、塗装と言わずにライニングと言われます。)
色々な長所があるのですが、普通の塗料と比べ塗布し難いのが最大の難点です。
(大抵mm単位の厚さになるので、塗装と言わずにライニングと言われます。)
色々な長所があるのですが、普通の塗料と比べ塗布し難いのが最大の難点です。
高粘度の材料を塗布し易くするため、揮発性の有機溶剤に溶かした物が溶剤型塗料であり、水に分散させた物が水性塗料です。
塗布後、溶剤や水は空気中に蒸発して、塗膜が残ります。
普通、塗膜が水を吸ったり雨で流れては困りますので、塗膜は大抵疎水性です。
(つまり水をハジキます。 だから、つまり、水には溶けません。)
塗膜になる前の段階でも、本質的には疎水性なので、粘度を下げたい場合は、有機溶剤にとかします。
溶剤を使うのは作業性を良くするための必要悪です。
空気を汚す以外に、塗膜の物性にも悪影響を与えます。
だから、悪影響が最小になるように適合させる必要があります。
塗料の専用シンナーが色々な溶剤の混合物になっているのは、その材料が伸び伸びと手足を伸ばして溶けられるように適合させた結果です。
性能低下を招かぬ為には、単に溶けるだけではいけないのです。
溶剤を使うのは作業性を良くするための必要悪です。
空気を汚す以外に、塗膜の物性にも悪影響を与えます。
だから、悪影響が最小になるように適合させる必要があります。
塗料の専用シンナーが色々な溶剤の混合物になっているのは、その材料が伸び伸びと手足を伸ばして溶けられるように適合させた結果です。
性能低下を招かぬ為には、単に溶けるだけではいけないのです。
さてそこで水性塗料です。
現在、環境保全の観点から、溶剤で空気を汚さないようにしようという趣旨で、溶剤型から水性への転換が求められていますが、なかなか進展しません。
水性には「溶剤型と比べ、性能が思わしくない」という理由があるからです。
水性には「溶剤型と比べ、性能が思わしくない」という理由があるからです。
水に「溶かした」でなく「分散させた」のが、その性能問題のカギです。
元々水と相性が悪い材料を水と一緒にさせるには、界面活性剤(要するに洗剤)を使って分散させたり、高速攪拌で微粒子にして分散させたり、分散した物が凝集しないように凝集阻害物質を添加したり、材料にOHやCOOH等の親水性の極性基をくっつけたりといったアノ手この手の強制的手練手管を駆使します。
どちらかと言えば、混ざってくれさえすればいいという趣です。
それらの無理は結果に出ます。
吸水率を筆頭に、その他諸々の物性がボロボロになります。 だから・・
塗膜性能を考えるなら、疎水性塗料の分散媒に水を使うのは、必要大悪です。
塗膜性能を考えるなら、疎水性塗料の分散媒に水を使うのは、必要大悪です。
以上が無溶剤塗料、溶剤型塗料、水性塗料のおおまかな関係です。
但し、こういうストーリーはあくまで現時点でのものです。
将来、膜物性に悪影響を与えない水分散技術が開発されるかもしれません。
閑話休題
水系樹脂を担いでいる業者の営業マンあたりが、無知な客を“だまくらかした”結果でしょうが・・
最近、「水槽や水を流す床等 要するに“水”に触れる物には“水系樹脂”が最適である。」
などという“トンデモナイ”説が流布しています。 “水系”というのは、要するに“硬化前の状態が親水性”というだけの意味であり、その事を何かに活かそうという趣旨の材料です。
硬化後も吸水率が大きくなります。 防蝕性能的にプラスの要素はありません。
最近、「水槽や水を流す床等 要するに“水”に触れる物には“水系樹脂”が最適である。」
などという“トンデモナイ”説が流布しています。 “水系”というのは、要するに“硬化前の状態が親水性”というだけの意味であり、その事を何かに活かそうという趣旨の材料です。
硬化後も吸水率が大きくなります。 防蝕性能的にプラスの要素はありません。