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生物による劣化

生物による腐蝕・劣化?の例

●と、ある水族館・・・FRPライニングが剥れたから見てほしい・・という御依頼
   現場を見ると・・FRPは跡形もなく消滅している。????どこに消えた?
                                                        飼育係 談・・
   「朝見た時、“あれ?ちょっと破れてるな?” と気付いたんですけどね・・

        昼頃行ってみたら、全部剥れていたんですよ・・」
 
●【・・顛末は・・】水槽の防水ライニングの一部が剥れて破れた ⇒ 水槽の住人?であるラッコ様たちが、掴んで引っ張った ⇒ (下地処理を手抜きしたインチキライニングであったため)簡単にべリべりと破れて剥れた ⇒ ラッコ様たちは、きゃー面白い!・・・と(言ったかどうか?)、寄ってたかって(瞬く間に)全部剥してしまった ⇒ 飼育係が事件に気付き、「超VIPであるラッコ様たちが、剥したFRPの棘で、万一お怪我でもなさったら・・身辺お世話役の自分の責任に・・首・生活苦・一家離散!」 ・・不吉な言葉が頭に浮かび、大急ぎで自分で破片を片付けた、・・という事でした。
 
●と、ある養豚場・・・「豚舎の鉄柵の根元が腐蝕し、5年保証なのに3年で折れてしまう。
何か対策を考えてチョーダイ。」・・という御依頼に応えて・・ブタの糞尿を分けて頂き、3カ月の浸漬試験までして万全を期した自信作の耐蝕樹脂をゴテゴテに厚塗りして、「ご心配には及びません、これが壊れるより所長が会社退職する方が先でしょう。ガッハハッ・・」・・と、反り返って帰って1週間 ・・ 「アレ壊れたよ。」という電話 「エ゛-!!ッと飛び上がる私メ」
「ど、どんな傷み方ですか?」 「ぜーんぜん残ってない。(^^)」 (そんなバカな!・・)
「見てみる?」 「すぐ行きます!3時間で着きますから・・」・・→・・→・・・・→・・→・・

   ぴピー!15キロオーバーね。ハイこれにサインして・・とホホ・・厄日じゃ・・
 
●【・・顛末は・・】 黒一色の殺風景な檻に閉じ込められた豚は日々大変退屈していた ⇒ ある日自分の檻の柵の根元に派手な色の樹脂がコテコテと塗りつけられた ⇒ 食って寝て太る以外何もやらせてもらえなかった暇な豚は、コンパネでもバリバリと食い破れるペンチのような頑丈な歯で、その目立つヤツを齧ってみた ⇒ KKソテックが自信満々であった耐蝕樹脂は、朝から晩まで齧られて、食べられてしまった。
    (今風に “樹脂” と表記していたら、絶対ツッコまれるところだった。不幸中の幸だった。)
 
●と、ある海水ポンプ・・・多数を同じように使っているのに、一つだけ異常に腐蝕する。
   条件が揃って、鉄バクテリアが繁殖したから、そうなったんだそうです。
(自分で検証したわけでは無いので、半信半疑ですが・・)
 
●と、ある下水施設・・・若者中心のマンションから流れてくる下水を扱う設備は、老人マンションから流れてくる下水を扱う設備より傷み方が激しいです。
植物食が多い老人グループと、肉食系の若者グループでは、排出物の化学成分が異なるので、(肉類に多い)硫黄、窒素等が、微生物の働きで、最終的に硫酸系や硝酸系の腐蝕性物質に変り、コンクリートや鉄やステンレスを傷めつけた・・というのが真相です。
昔はこんなに傷まなかったのに・・という、お年寄りの施設管理者の嘆きも、原因は同じ。
 
●と、あるインスタントラーメン工場・・・エポキシライニングのため、床コンクリートをケレンしていたら・・機械の下に、深さ25cmもある“落とし穴”が掘ってある。???
   と一瞬思ったが・・床にこぼれた小麦粉で腐敗菌が繁殖して腐蝕性物質を作り、コンクリートが溶けてしまったモノと判明。 金魚が五匹くらい飼えるゾ・・これだけ大きい穴なら・・
 
●と、あるハム工場・・・床には何も塗られてない。かって塗られていたのかもしれないけれど、今は跡形も無く、床にこぼれた油脂や煮汁が腐って出来た物でコンクリートが腐蝕して、グリ石が出る程凸凹になり、そこに汚物が絡んで掃除もママならぬ状態に悪化。
   だから余計に腐蝕する、という文字通りの悪循環状態になっていた
   そういう状態なので、清潔?を保つため常に水を流すので、常にビショ濡れ。
それを見た某大手防蝕材メーカーが、“こういう濡れてる所には弊社の水系エポキシがピッタリ適します。”などとアホな能書きを言い、信用した客がソレを施工させたら、その日のうちに全部水に流されてしまった。・・というイワクつきの現場。
窓口になった商社は、かくてはナラジと、名誉挽回と客の機嫌取りのため、(多分ダメモトで)汚れ仕事が似合いそうなボロ事務所のKKソテックに、実費でのサンプル施工を依頼。
 
もう絶対に失敗出来ないですからネッ」       
 
   (そのセリフ、ウチじゃなくアノ会社に言ってよ・・失礼な!
   現場はハムのにおい + スゴイ腐敗臭 (・・よくこんな所で平気で働けるもんだ・・)
夜間の突貫工事なので、夕方からスタート ⇒ 下地処理のため、しゃがむと、ムッとする悪臭・・思わずオエッとなりそうになるのを我慢して作業していると・・目の前を黒い塊が駆け抜けた・・ななナンジャ!いまのは・・ドブ鼠!・・食品工場やで・・大手やで! ここは・・
ともかく、夜中の10時頃にやっと下地処理を終らせ、持ってきた湿潤面施工用の樹脂をぶちまけてみた。
m2くらいやってちょうだい”と言われたので、新設なら十分10m2くらい出来る程の量である20Kgの樹脂を用意してきたのに。 下地の荒れがひどくて、凸凹が均せない。
アレレッ1m2やっとやで、コレは・・ 何とか終らせて、真夜中に、旅館に帰着。
   宿のオカミさんは、食事を用意して待っていてくれました。 m(_ _)m シカシ・・

   出てきたのがハム! ・・好き嫌いは無いけど、現場の悪臭の残像が・・
   【・・その後・・・】・・・施工結果が客と商社に気に入られて・・
全国の工場全部アレでやってくれませんか?」 「イイですよ。」 「値段、全国一律にしてくれとお客さんが言ってるんですけど・・取敢えず四国徳島で50m2やりたいそうです。」 「いくらで?」 「8千円/m2「お断りします。あんな状態にまでなったら、それじゃ材料代と交通費しか出ません。」・・という結末の、少し空しいサンプル施工でした。

食品工場の腐敗菌による腐蝕は、化学工場の薬品による腐蝕くらい強烈ですが、腐蝕機構は、菌が産生する物質による“化学腐蝕”ですから、防蝕屋の通常の方法で防蝕出来ます。
 
しかし、ラッコや豚や白蟻等による物理的被害を防ぐには、通常とは別の視点と方法が必要です。それを“防蝕”の範疇に入れるのは、世間的には異端でしょうが、ヨロズ防蝕メンテナンス屋としては、“現実にそういう問題が複合しているのなら、当然、やらねばならない”と考えています。
     (屁理屈言えば) “蝕”は元々“害虫に食われる” の意味ですから、その対策を防蝕屋がやるのは自然です。
 
但し・・・
人間によって起こされる、生物性腐蝕は、防蝕技術の守備範囲外です。
 
 
 
株式会社ソテック 〒272-0004 千葉県市川市原木2165 TEL.047-328-6390 FAX.047-328-6392 1.防蝕ライニング設計、施工 2.防蝕ライニング材・接着剤・製造、販売
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