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コンクリートの非公式の劣化

コンクリートの偶発的(変則的)劣化

現実の鉄筋コンクリートは、必ずしも計画通りには出来上りません。
 
鉄筋の位置がズレて、表面に露出したり、被り厚が不足したり、バイブレーション作業の不備でジャンカが大発生したり、生コンの流動性が下がったといって水を追加して打設してスカスカのコンクリートにしたり、打設中に地下水が差してきて水道(みずみち)ができて漏水したり、タチの悪い労働者が故意に、あるいは誤って、ゴミ、ウエス、長靴、木材を一緒に打設したり、地盤沈下でクラックがはいったり、工程の都合であちこちにコールドジョイントができ、そこから漏水したり、硬化中に気温が下がり過ぎたり上がり過ぎたりして、硬化不良や、クラックや強度低下が生じたり、養生中に空気が乾燥しすぎて、表面がスカスカの低強度コンクリートになったり、コンパネの裏表を間違えて、リグニンで表面の硬化をおかしくしたり、・・・そんなことは、現実にしょっちゅう起こっています。
 
そして、これらは・・コンクリートの劣化を促進します
例えば、コンクリート中に通水路が形成されると、その経路は他よりはるかに早く中性化し、腐蝕します。コンクリートの吸水性が大きくなると、腐蝕速度も大きくなり、それがさらに、吸水率、透水性を増大させるという悪循環を生じます。
そこに鉄筋が在れば、短い期間で 爆裂を起こします。
被り厚が不足しても、同じ事が起こります。・・というように・・くどいようですが・・これらは(品質云々という観点とは別に)現実の劣化要因になっているわけです。
 
こういうものの“発生”は、いわば“事故”であり、事前の予測は出来ません
(事故じゃなくて単なるデタラメ工事だ・・という見方も、モチロン成り立つでしょう。)
 

「閑話休題」

阪神大震災で折れた道路橋脚から木材が出て来た問題でも、JRトンネル内のコンクリート片落下事故でも、アルカリ骨材反応による劣化でも、道路橋脚等の中性化や腐蝕問題でも、トラブルが表面化する度に “本来あってはならないことだ”とか、“全く予想していなかったことだ”といったお決まりの解説が登場しますが、物事が計画通りに運ばないのは、良くある事であり、設計と実物が必ずしも同じにならないのは、建築現場の常識です。
だからこそ、終始現場に張り付いて書類でなく実物の)施工管理をしないといけないのですが、それでも、その目からこぼれ落ちるものは、必ず出ます。
 
こういった施工の不備やトラブルを、有り得ない事として、設計から外してしまうか有り得る事として設計におり込むか・・・それは、論理の前提が異なるので、どちらが正しいというような筋のものではありませんが、(“本来あってはならない事”に対処するのが、危機管理ですから、)その視点で考えるなら、後者の方が良いように思います。
(ポンプ打ちコンクリートなんか、それ自体が欠陥構造体みたいなもんです。)
 

【偶発的劣化(の一部)の具体的防止策】

鉄筋の(被り不足による)腐蝕とアルカリ骨材反応は表面コーティングでリカバリー出来ます。
コールドジョイントは、最悪の場合、打ち継ぎ接着剤でカバーできます。
但し、現場をそういう視点でチェックするが居なくては、所詮どうしようもないですが・・
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