解説(不飽和ポリエステル樹脂)
レジャーボートなどのFRP製品に使われているのは、通常、一番安い、オルソフタル酸を原料にした不飽和ポリエステルですが、これは、酸やアルカリで加水分解しやすいので、防蝕にはあまり使いません。
イソフタル酸系不飽和ポリエステル(通称:イソポリ)やビスフェノール系不飽和ポリエステル(通称:ビスポリ)が、防蝕用です。いろいろ変性したものもありますが、防蝕用としては、気にするほどの差はありません。だから、(安く、保存安定性がよく、硬化性がよいという理由で) 標準備品としてはイソ系をお薦めします。
イソフタル酸系不飽和ポリエステル(通称:イソポリ)やビスフェノール系不飽和ポリエステル(通称:ビスポリ)が、防蝕用です。いろいろ変性したものもありますが、防蝕用としては、気にするほどの差はありません。だから、(安く、保存安定性がよく、硬化性がよいという理由で) 標準備品としてはイソ系をお薦めします。

(ユピカ:4516Pなど)
硬化のさせ方

硬化剤(有機化酸化物)を0.5%~3%くらい混ぜるだけです。
硬化剤の量で硬化速度が変わります。
硬化剤の量で硬化速度が変わります。
硬化剤

注意点
パーメックN・・・日本油脂
あるいは
カヤメックA・・・化薬アクゾ
どちらもOK、他にもあるけど一般人に必要なし。
500g~5Kg/ポリ缶入り
2.000円/Kgくらい
あるいは
カヤメックA・・・化薬アクゾ
どちらもOK、他にもあるけど一般人に必要なし。
500g~5Kg/ポリ缶入り
2.000円/Kgくらい
硬化を阻害するもの
水、酸素、タール、アスファルト、アミン類等が、混入すると硬化不良を起こします。
(水と酸素は、空気中にも含まれていますので)空気中で普通に硬化させた不飽和ポリエステルは、表面の数10ミクロンの深さまでは、硬化不良の状態になります。(阻害がひどければ、表面がべたつくことがあります。
上記、硬化不良の防ぎ方
・水濡れ面に塗ってはいけません。下地はきちんと乾かすこと!
・タール、タールエポキシ、エポキシ(硬化剤はアミンを使いますので、それが微量残っており、ひどい悪さをします。)、アスファルトの上には塗らないこと。どうしても塗りたいときは、ウレタン系のバインダーコート(弊社ファンデーション#123等)を塗って、有害物を封鎖してから塗布してください。
これら、有害物の樹脂への混入は、絶対避けてください。これらの付着した容器や、ハケ、ローラー等の使用も厳禁です。
これら、有害物の樹脂への混入は、絶対避けてください。これらの付着した容器や、ハケ、ローラー等の使用も厳禁です。
・空気中の酸素と水の悪影響は、樹脂にワックスを数%添加することで防げます。硬化反応が、進むに従って、このワックスが表面に浮いて膜を作り、空気を遮断するからです。(最後の仕上げに、使ってください。始めから使うと、塗り重ね性を損ねます。)
ワックスは、空気硬化剤、ワックス、パラフィン、等の名称で樹脂メーカーから発売されています。
ワックスは、空気硬化剤、ワックス、パラフィン、等の名称で樹脂メーカーから発売されています。

製品例
日本ユピカ:空気硬化剤
日本ユピカ:空気硬化剤
不飽和ポリエステルの外観
普通の塗料程度の粘度です。全体の半分近くがスチレンモノマーという液体なので、作業時は、この臭気がかなりきつい。
(この臭気が大好き、という人もいますが、死ぬほど嫌いという人には、エポキシをお薦めします)
(この臭気が大好き、という人もいますが、死ぬほど嫌いという人には、エポキシをお薦めします)

用具の洗浄液
アセトンが、一番よく落ちます。
アセトンは脱脂力が強いので、手を拭くと肌荒れする人がいます。ご注意下さい。
アセトンは脱脂力が強いので、手を拭くと肌荒れする人がいます。ご注意下さい。
用途
ガラスマット(チョップドストランドマット)を併用したFRP(一般成型品作りやFRPライニング)、レジモル、パテ(充填材を多量に加えることがコツ)で使うのが基本
単純塗布は、残留応力によるクラックが入りやすいので不可

ガラスマット(チョップドストランドマット)
日東紡製品
日東紡製品

FRP板(成型品)

FRPライニング(パイプの補強)
メーカー御案内
イソ系不飽和ポリエステル
日本ユピカ:ユピカ4516P等
大日本インキ:ポリライトFH-286等
昭和高分子:リゴラック150HR等
三井化学:エスターR-280等
(他 日立化成 日本触媒 )
値段:18L缶で一万円程度
他に、建材商社や建築事務所などが、これらに自社ブランド名を付けて売っています。
(ビニルエステルも同じ)・・・・(値段は数倍します)
だから買うなら上記のような製造メーカーの製品がお得です。
だから買うなら上記のような製造メーカーの製品がお得です。